MIMOCAについて
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
当館は、丸亀市の市制施行90周年の記念事業として、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと1991年11月23日に開館しました。建築家の谷口吉生による美しい建築を丸亀駅前に構える当館は、猪熊本人から寄贈を受けた約2万点の猪熊作品を所蔵し、常設展で紹介するとともに、現代美術を中心とした企画展を開催しています。また、講演会やコンサートなどの多彩なプログラムや、子どもの感性や創造力を育むワークショップなどを開催し、教育を目的とした活動にも力を入れています。
これらの特色は、猪熊と丸亀市とで協議を重ねて作り上げられました。猪熊は、MIMOCAが常に新しいものを積極的に紹介する「現代美術館」であることを強く希望しました。また、自然光を取り込んだ明るく広々とした空間は、美術館に美しい空間を求める猪熊の意思を共有して谷口が形作りました。そして猪熊は子どもが美にふれることを重視し、子どもの観覧料無料や、子どもが造形活動をする「造形スタジオ」の設置などを提案しました。
気軽に立ち寄り、美しい空間でいい作品を見て、新鮮な刺激を受けて心が元気になる場所であることを美術館に求めた猪熊は、MIMOCAのあるべき姿として「美術館は心の病院」という言葉を残しました。猪熊の思いが込められたMIMOCAが、みなさまの「心の病院」となれば幸いです。
美術館設立に寄せて
私が少年時代を過ごした、想い出深い丸亀の地に美術館が建てられた事を大変嬉しく思います。現代美術を専門に展示する美術館は、全国的にもユニークであり、丸亀市民の皆様の力で建設されたこの美術館によって、まち全体が文化的な環境になっていくことを期待しています。猪熊弦一郎 1991年
『MIMOCA開館30周年 どこにもない美術館をめざして』
開館30周年を機に初心にかえり、当美術館設立の経緯や猪熊弦一郎が当館に託した思いをまとめた冊子を製作しました。
『MIMOCA開館30周年 どこにもない美術館をめざして』
著者:長原孝弘(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 館長)
編集・発行:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
発行日:2021年11月20日
仕様:B5サイズ、全54ページ、表紙ページのみカラー、本文モノクロ
建築について
正面には、猪熊弦一郎の巨大な壁画《創造の広場》やオブジェの設置されたゲートプラザがあり、その伸びやかなファサードは、駅前広場と内部空間をゆるやかに結びつけています。設計は、数々の美術館建築を手がけ、現在、世界で最も美しい美術館をつくる建築家と評される谷口吉生。猪熊弦一郎との対話によって、アーティストと建築家の理念が細部に至るまで具現された建築となっています。
自然光をふんだんに取り込んだ、軽やかで開放的な空間が広がる館内は、1階から3階までの3層構造となっており、1階にはオリジナルグッズやカタログを販売するミュージアムショップ、2階には対照的なプロポーションをもつ2つの展示室があり、さらに3階には天井高約7mの豊かなスケール感をもつ展示室を配しています。
また当館は、作品鑑賞だけでなく芸術へのさまざまなアプローチを可能にする施設です。2階のアートセンターは、美術に関連する書籍・雑誌が閲覧できる美術図書室、講演会やコンサートの会場となるミュージアムホール、そしてワークショップ等を行う造形スタジオを備えており、3階最奥部にあるカスケードプラザとカフェレストMIMOCAもまた皆様に心地よいひとときをご提供します。
敷地面積:5,974.53㎡
規模構造:鉄骨鉄筋コンクリート構造/地下1階、地上3階
建築面積:3,564.80㎡
延床面積:11,948.14㎡
設計:谷口建築設計研究所 所長 谷口吉生
施工:(株)鹿島建設
着工:1989年11月21日
竣工:1991年6月20日
開館:1991年11月23日
1992年:第26回SDA賞
1993年:第34回建築業協会賞
1994年:第7回村野藤吾賞
1996年:第5回公共建築賞・特別賞
建築交流ネットワーク協定
国際的建築家 谷口吉生氏の設計による建築を施設の大きな特色の一つとしている国内の文化施設が、相互に連携・協力のもと魅力発信を図り、文化の振興に寄与することを目的として締結される協定です。
(平成26年11月14日締結)
資生堂アートハウス
土門挙写真美術館
長野県立美術館 東山魁夷館
豊田市美術館
東京国立博物館 法隆寺宝物館
香川県立東山魁夷せとうち美術館
京都国立博物館 平成知新館
鈴木大拙館
photo by Yoshiro Masuda
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