Janet Cardiff, The Forty Part Motet (A re-working of Spem in Alium Nunquam Habui 1573, by Thomas Tallis), 2001. Johanniterkirche, Feldkirch, Austria, 2005. Photo by Markus Tretter. Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo.©Janet Cardiff

ジャネット・カーディフ 40声のモテット

Janet Cardiff: The Forty Part Motet

会期:20251213日(土)−2026年215日(日)

休館日:月曜日(2026112日は開館)、20251225日(木)−31日(水)、2026113日(火)

この度丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)では、カナダを拠点に活動するジャネット・カーディフ(Janet Cardiff, 1957-)によるサウンドインスタレーション作品《40声のモテット》(2001)を展観いたします。 

本作は、2001年にカナダ国立美術館(オタワ)で初めて公開され、同館のミレニアム賞を受賞して以来世界約60ヶ所で展示されてきた、彼女の代表作の一つです。16世紀イングランドの作曲家トマス・タリスが作曲した『Spemin Alium』(通称『40声のモテット』)をもとにしており、楕円形に設置された40台の各スピーカーから、59人5声部(ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バス)で構成された聖歌隊の歌声が個別に再生されます。それはまるで今まさに歌っている聖歌隊の場に居合わせているかのような没入感を生み出し、重層的な音の広がりは彫刻のように空間のなかで立ち上がります。 

一方で、当館は数多くの美術館を手掛けてきた谷口吉生の設計のもと1991年に開館し、全国的に美術館として早い時期から自然光を取り入れた開放的な展示空間を備えています。こうした建築的特性を生かすと同時に、館内で最も面積が大きく、7mの天井高を有する広々とした展示室を会場とすることで、鑑賞者は自由に空間を移動でき、一層本作の音による空間体験を得ることができるでしょう。 

原美術館ARCを皮切りに、年間を通じて金沢21世紀美術館、長崎県美術館への巡回を経て、当館での展示が国内で鑑賞できる最後の機会となります。ジャネット・カーディフの代表作による空間内での音の彫刻的な広がりと、当館ならではの建築空間の対話をお楽しみください。 

開館時間

10:00-18:00(入館は17:30まで)

主催

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団

料金

一般1,500円(団体割引1,200円、市民割900円)、大学生1,000円(団体割引800円、市民割600円)、高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

※同時開催企画展「猪熊弦一郎展 夢をならべている」、常設展「猪熊弦一郎展 物が在る」観覧料を含みます。

※団体割引は20名以上の団体が対象です。

※市民割は丸亀市民が対象です。チケットご購入時に証明する書類(運転免許証、保険証など)のご提示が必要となります。団体割引を含み、他の割引との併用は出来ません。

  1. ジャネット・カーディフ《40声のモテット》 2001
    銀座メゾンエルメス フォーラムでの展示風景(2009)
    Photo by Atsushi Nakamichi / Nacása & Partners Inc. Courtesy of the Fondation d’entreprise Hermès, 2009 ©Janet Cardiff
  2. ジャネット・カーディフ《40声のモテット》 2001
    ソールズベリー大聖堂合唱団による録音の様子(2000)
    Photo by Hugo Glendinning. Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo.©Janet Cardiff

ジャネット・カーディフ《40声のモテット》 2001
ジャネット・カーディフ(スイス、トゥールガウ州立美術館にて、2002)
Photo by Stephan Rohner. Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo. ©Janet Cardiff

ジャネット・カーディフ|Janet Cardiff

ジャネット・カーディフ(1957-)はカナダのブリティッシュ・コロンビア州を拠点に、サウンド、彫刻、テクノロジーを融合させ、「聴く」、「見る」といった複合的な知覚体験を伴う、革新的で没入感のあるインスタレーションを制作する。2001年にジョージ・ビュレス・ミラーとともにヴェネツィア・ビエンナーレでカナダ館代表として参加し、特別賞を受賞。以後もミラーと共同で活動を続け、世界各地の美術館で展覧会を開催してきた。日本では、「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」(金沢21世紀美術館、2017年)などの展覧会をはじめ、横浜トリエンナーレ2005、あいちトリエンナーレ2013への参加や、ベネッセアートサイト直島の《ストーム・ハウス》(2010年から2021年まで常設作品)でも知られる。

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